ロレックスのワールドヘッドクオーターズを見に行く
パンフレットやネットでは見たことがあるロレックスの本社。年々ブランド価値を上げていると言える同社ですが、どのような場所で仕事が進められているのか大変興味を持ちました。偶然スイス・ジュネーブの街へ訪問する機会があったので、レ・アカシア地区に立地する世界本社へと足を運んでみます。
都市部の交通機関は充実しているジュネーブですが、本社の位置は街の中心部から離れていたため、空港のハーツで車をレンタル。BMWを予約していたのですが、勝手にアップグレードされてしまいメルセデス・ベンツC200ステーションワゴンとなりました。
ベンツとロレックスという生意気感が半端ではありませんが、どちらも歴史あるブランドですから、並べてみるとなかなかマッチしています。
マネジメント、研究開発を担う本社
ロレックス社はスイス国内に3つの工場を有しており、こちらの本社では製造を行わず、管理系の部門や、研究・開発、従業員トレーニング、出荷前の検品機能が設置されています。つまりブランドの方向性や、戦略といった重要事項は、この場所で決定がなされているわけです。
一見細長いビルが一棟建っているだけに見えるのですが、奥を見ると低層型の建物がいくつも密集しており、キャンパス型の構成となっていました。
この本社を眺めていて真っ先に気がつくのは”清潔感”です。いかにも汚れがつきそうなガラス張りのビルなのに、一切の曇りも見当たりません。
また外の植木や芝生一つとっても、きっちり整えられていて、一寸の狂いも無いのです。精巧な時計を製造する会社として相応しい状態です。
博物館やオリジナル商品のショップでもあれば嬉しいのですが、残念ながら何も無いとのこと。
ロレックスマグカップでも売ってくれればバカ売れしそうな予感ですが、そういう安易な安売りをしないのが、ハイブランドのあり方なのでしょう。
売れている製品・サービスを生み出す会社は環境が良い
アップル社など世界各地の本社を訪問してきた私ですが、今の時代に売れている製品・サービスを生み出す会社は総じて”就業環境が良い”と実感します。コンクリートの狭間で何かを考えるのと、空気が美味しい開けた場所で何かを考えるのでは、大きな差がつくのは当たり前でしょう。
また環境が良い会社は、ブランドとして一貫性を貫いているパターンも多いように感じられます。
私のように、ユーザーが本社を見に来る事など滅多に無いでしょう。しかしそれでも製品イメージと違わぬ美しさ、清潔感を本社社屋でも再現しているわけで、油断がないという点が更に我々の印象を良くするのです。
私は日本製のハイクラス時計も所有していますが、工場の中は美しくても、果たして工場の外まで清潔感や美しさを追求しているのだろうか?と疑問を持ってしまいます。
世界の一大ブランドになりきれない製品やサービスが日本には沢山あると感じていますが、ツメの甘さがその原因なのかもしれません。
ロレックス本社のお隣さんは・・・
ちなみに、ロレックス本社の周辺はどんな環境なのだろうか?と考えていたのですが、行ってビックリ隣は日本車のディーラーでした。隣のロレックスが綺麗すぎるためか、なかなかきっちりと整えられたショップです。世界ブランドであるスバルとスズキがしっかりと日本のプレゼンスを誇示してくれています。
おまけ:ヘリがいきなり着陸してくる
ヘリが近づいてくる音が聞こえたので上を見てみると、急旋回したヘリがロレックスのビルをかすめて一気に急降下してきました。目の前が軍の施設のようで、普通の校庭みたいな場所にヘリが何事もなく着陸してしまいます。流石、国民皆兵の国スイスです。