2019-05-02

【E190E2】試験機は何故サメ塗装? E190-E2シャークティース|ヴァンター国際空港 フィンランド

E190-E2 Shark teeth

ヘルシンキ・ヴァンター国際空港。フィンランドエアのラウンジから外を眺めていると、見慣れない小型ジェット機が牽引されてきました。




エンブラエル社の次世代旅客機E-JETS-E2シリーズ

E190-E2 Shark teeth2
ゆっくりと牽引されてきたのは、ブラジルの航空機製造会社”エンブラエル”が開発した、新型のE190-E2試験仕様機でした。

ファーンボロー国際航空ショーにて展示された機材で、派手な塗装が目立ちます。Facebookで見たところ、航空ショーの後に各地を巡るツアーを展開していたようで、偶然これに遭遇出来たわけです。

以前ボーイングの工場で787の試験機を見つけた事はありましたが、実際に動いている試験機というのは初めて見ました。

E190-E1 J-AIR
E2と呼称されるには理由があり、元々E1に相当する前世代機が存在します。

日本のFDAフジドリームエアラインズや、JAL系列のJ-AIRでも使用される、E170やE190がそれに該当し、そのモデルチェンジ版がE2という事になります。

主に短距離線にて使用される機材であり、日本であれば札幌-新潟線のような、ローカル路線において重宝されています。

何故サメの口が描かれているのか?

E190-E2 Shark teeth3
ところで旅客機にも関わらず、何故攻撃的なサメの口(シャークノーズやシャークティースと言う)が描かれているのでしょうか?

答えはちょっとしたユーモアで、この飛行機に”プロフィットハンター Profit Hunter”という愛称が付けられているからに他なりません。

直訳すれば”利益の探求者”。つまり利益を追い求める→喰らいつくサメのイメージが、そのまま塗装に反映されているようです。

LCC全盛の今の航空業界において、効率・利益の追求を軽視している会社は存在しません。そんな状況下で、最新型の機材とサービス一式を”ビジネスソリューション”として提案し、販売を拡大しようというのがエンブラエル社の戦略なのです。

三菱航空機 MRJの勝ち目はあるのか?

現在日本においても同規模の飛行機である、MRJの開発が進められています。エンブラエル社やボンバルディア社が牛耳る小型〜中型旅客機市場を開拓しよう、というのが元々の狙いでした。

残念ながら相次ぐ実用化の延期で、信用自体が落ちている側面はあるとして、果たして他のライバルに勝つだけの能力を持っているのでしょうか。

恐らく機体のスペックだけを見れば、大した差は無いでしょう。何故ならMRJのターゲット市場は元より明確であり、なおかつ海外部品の使用比率が高く、かえってオリジナリティが高くないと考えられるためです。


明確に差が出る部分としては、先に触れた”ビジネスソリューション”が提案出来るかどうかという点に他なりません。

例えば飛行機は売って終わりではなく、交換部品を供給したり、サポートをしていかなければなりません。

エンブラエル社のWEBを見ると、大々的なカスタマーサポートセンターを設置し、適切な対応が迅速に行えるよう配慮している事が良く分かります。

これらは経験があるからこそ成し得る側面もあり、過去の蓄積が乏しい三菱にそこまでの工夫が出来るのだろうかという疑問が消えません。

物やサービスのクオリティをひたすら追求し、単体で売る時代は終わり、派生サービスやトータルサービスを売る時代になった現在、他の製造産業同様、航空機市場においても世界で勝てない状況になってしまわないかと、大変心配するところです。




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