2019-08-07

テスラ・フリーモント工場訪問記|カリフォルニア州 アメリカ

tesla model 3
以前から注目していた自動車業界の異端児テスラ。『どんな場所で車を造っているのだろう?』と思ったので、実際にテスラのファクトリーへと訪問してみる事にしました。




テスラの電気自動車工場

Tesla fremont factory
サンフランシスコから車で1時間ほどの距離にある、カリフォルニア州フリーモント。この街の巨大な雇用主として君臨するのが、テスラのEV工場です。勤務者の数は1万人にも達します。

2016年時点での施設面積は50万平方メートル。車種の増加や需要への対応のため少しずつ拡大が続いており、最終的には93万平方メートルの面積を有する予定となっています。

Tesla fremont factory2
見ての通り意外にも古典的な造形を有する工場ですが、50年以上前に開業した工場をそのまま買取り改良しているため、決して新しくはないのです。

元々GM(ゼネラルモーターズ)の工場として開業し、その後トヨタとGMの合弁会社NUMMI社による運営が行われていました。リーマンショックの後GMは破綻。工場は操業を停止し、テスラへと売却されます。

余談ですが、2008年の12月、ビッグ3の社長達が破綻の件でアメリカ議会に呼ばれた日にワシントンD.C.をふらついていた私ですが、10年経って「あーあの時の事が影響しているのか!」と、繋がりを見つけてしまいました。

今では提携を解消してしまいましたが、トヨタは一時期テスラへ出資していたので、その辺りの関係もあってうまく工場を入手したものと推測出来ます。

それにしても従業員の皆様の車は圧倒的に普通の日本車です。まだまだテスラは顧客に供給するだけで精一杯といった様子なので、せめて低燃費な車に乗ってね?という事なのかもしれません。

モデル3の中を見せてもらう

tesla model 3 no2
本当は工場見学をしたいところですが、なんとオーナー以外は予約が出来ないとの事。予め事情を知っていたので、仕方なくお土産のTシャツを買いつつ、ビジターセンターに置いてあった新型のモデル3を触りまくります。ちなみにTシャツは日本のディーラーでも買えそうな気が・・・。

Tesla model 3 interior
モデル3はテスラで初めての”普及価格帯モデル”です。これまでのモデルSやモデルXはデザイン、大きさ、装飾、どれをとっても高級志向でしたが、こちらはサイズを並の自動車レベルまで落とし、余計な装飾を削って低価格を実現しています。

日本の税込価格で500万円程度からとの事でまだまだ高価なのは事実ですが、400〜500キロも走行出来る実用レベルの電気自動車の存在自体が希少でしたから、割安な選択肢が増えただけでも驚くべき事です。

メーターが無い、ボタンが無いなど、シンプルさはネガティブに捉えられがちですが、”完全自動運転”の将来的提供を目標にするTESLAからすれば、余計な物を予め取り払っただけにすぎません。

全てソフトウェア上で動作するので、インテリアの中心に位置するディスプレイを使えば、専用のボタンが無くても全て操作出来、情報も表示出来るのです。

実際に操作してみましたが、ボンネットがボタン一つでオープンしたのにはかなり驚きました。通常の車では大型の物理レバーを引っ張るのが普通です。

Tesla model 3 front luggage space
ちなみにエンジンが無いので、ボンネットの中は収納スペースです。滅多に見えない部分ですが、美しく整えられています。

Tesla model 3 tire
普及価格がこの車の売りですが、実のところ手抜きが見えず、タイヤ一つとっても、ミシュランのパイロットスポーツと呼ばれる、ハイスペックなタイヤを履いています。やはり電気自動車は構成部品点数が少ないので、余計なコストを落としつつ、重要なパートでは良い部品を使いやすいのでしょうか。

新車を積んだキャリアカーが溢れる

Tesla transport
一時期”物流能力の不足”をメディアから指摘されていましたが、ひっきり無しに走り抜けていくキャリアーカーを見ると、言うほど大変では無いのかなと感じます。まるで欧州車のように慎重に車を扱っている様子を見るに、余裕すら見えてきます。

結局ところ工場へグッズを買いに行っただけになってしまいましたが、報道では見えない事実がいくつか見え、個人としてテスラへの信用がかなり上がりました。

また自分達以外にも沢山のグループが工場を訪問してきており、本当にファンの多い会社だと思います。

私は今になってもインターネットに接続出来ない車が大多数を占める事に対して驚きを隠せませんが、同じように違和感を覚えている人が多い証拠ではないでしょうか。批判をされつつも、テスラは見事に課題を打破してくれています。

Access: Tesla Factory, Fremont






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