2018-11-26

ベトナムの国産車、ビンファストVINFASTLux A2.0・SA2.0とは?|ベトナム

L2.0
ベトナムのコングロマリット”ビングループ”。ベトナムの国産車を製造すべく、急激な勢いで邁進しています。




BMWが協力?本気の国産車製造プロジェクト

BMW M5
以前からベトナムへはトヨタやホンダ、その他複数のメーカーが進出し自動車製造を行なっています。

製造と言っても、ベトナム国内で全ての部品を調達する事は難しく、日本やアジア周辺国から多くの部品を輸入し、組み上げるスタイルが多いと言えます。

業界用語で言う”ノックダウン生産”に近く、エンジンやトランスミッションまで製造出来るレベルに至った、タイやインドネシアの自動車製造産業とはまだまだ比較になるものではありません。


さて、自動車製造では発展途上にあるベトナムにおいて、地場の複合事業体であるビングループが”国産車”の製造を目指しているそうです。

今のところ未発売ながら、モックアップではない実車が発表されており、モーターショーや街中のイベントで展示までされています。

いくら資金力があれど、そんなに簡単に車が製造出来るものか?と思っていたところ、あるニュースソースではBMWの協力ではないかと触れられていました。

自動車プロジェクトは国策と言って良いレベルでしょうから、お互いの国の利害関係も多少はありそうな予感がします。

ビンファストのSUV Lux SA2.0とは? 

L2.0-2
(ビンファストWEBカタログより参照)

現在発表されている車は3車種あり、内2種類がフラッグラインと言える、高級車としての設定がなされるようです。

今回取り上げたいのはその中のSUVタイプSA2.0。ネーミングは欧州車と同じで排気量・パワーを示す数字が含まれます。

L-2.0-3
デザインを見ると、かつて中国の市場で見られたような、コピーやオマージュとは全く異なるコンセプトである事がわかります。

私個人としては、余計な装飾がなく、よくまとまっていて、普通にカッコいいと思えるほどです

BMWの関与という話がありましたが、確かに窓の配置にBMWのSUVであるXシリーズの印象を強く感じます。

寸法は全長4,940mm、横幅1,960mm。

少し気になって調べてみると、現行のBMW X5と数十mmの違いしかありません。つまりプラットフォームが同じという可能性は大いにありえます。

(車体にオリジナルのボディーを載せただけという可能性も・・・)




内装はBMWとボルボ風

L-2.0-4
こちらは内装。

中心の大型ディスプレイが目を引きます。ここだけ見ると、BMWではなくボルボのSUV XC90に酷似しています。

ギアのセレクト操作レバーはBMWそのもの。デザインは少々事なりますが、電子切り替え式である点が全く同じです。

BMW i8
こちらはBMW i8の内装。

見ての通りステアリングや、その他操作系のデザインもかなり似ている事が分かります。

FRな上にエンジンはハイスペック

L-2.0-4
最後に性能や仕様を確認していくと、後輪駆動のFRベースかつ、かなりハイスペックな2.0リッターエンジンを積む予定である事が分かります。

FRベースの時点で、ベンツかBMWの協力下にある事は明白ですが、なかなかマニアックな仕様でうらやましいものです。

(※アウディや日本のメーカーは前輪駆動FFが主体であるため)

また2.0リッターのエンジンは恐らくターボでしょうが、228馬力ですから、3シリーズの高出力仕様とノーマル仕様の間位の性能と考えられます。


車の最終的な品質や、出来栄えがどうなるのかはまだまだ不透明ですが、カタログスペックだけ見ると今の日本車より全然良いではないか、というのが率直な感想です。

例えば出力では、ハイブリッド車の総合出力には勝てませんが、BMWの設計だとすればさぞ吹け上がりの良いエンジンでしょう。

またいつまで経っても2DINサイズナビから抜けられない日本車と比較すると、最初からインターネットとの接続も考慮した、大型のディスプレイ配置は先進性を感じさせます。

『突然の予定変更』が多い国ですから、このプロジェクト自体が長続きするかは不透明ですが、机上プランだけではなく、既に実車も出してきているのは、なかなかアグレッシブに思えるのです。


ところで『どうせベトナムだから失敗するだろ』という声が、日本人社会から死ぬほど聞こえてきそうですが、不正や隠蔽だらけで、失敗続きなのは日本も同じ事です。

私は日本の良さは未だに沢山あると思いますが、新しく登場してくるであろうライバルをけなすのではなく、そこに危機感を持って改めて体制を立て直すというマインドがあっても、良いのではないでしょうか。

追いつけ追い越せで発展してきた日本。謎の”上から目線”がいつまでも通用するとはとても思えません。





関連記事