2018-08-23

「デジタル居住権」エストニアe-Residency制度へ登録をする|エストニア

e-Residency kit by Estonia
かつてはソビエト連邦の一国であったエストニア共和国。世界でも珍しい電子居住権『e-Residency』制度を導入しています。物は試しに私も登録をしてみることにしました。




エストニアのイーレジデンシー制度とは?

e-r
電子居住権制度e-Residencyは外国籍の人間であっても、エストニアにおける電子政府の仕組みに加わる事が出来る制度です。

エストニアはX-Roadと呼ばれる電子プラットフォームを用いて、政府の仕組みが電子化されており、ほとんど全ての手続きをインターネット経由で完結させる事が出来ます。

個人の申請手続きはもちろん、法人の設立(登記)、税金の支払いまでWEBを通して申請を行えるのです。別途紙への記載や印刷は全く必要なく、署名が必要な場合は電子署名で対応が可能です。

エストニアの国民以外でも、登録をするだけで同じシステムを活用できるというのがこの仕組みの最大のメリットであると言えます。

さて、外国人である日本人やその他の国籍の人が、e-Residencyへ登録するメリットとは何でしょうか?

e-Residencyへ登録して出来る事とは?

e-Residencyキット
先に述べた通りe-Residencyへ登録する事で、WEB経由でエストニアの電子申請システムへ合法的にアクセス可能となります。特に政府が推しているのが法人の登記申請、つまり会社の設立です。

通常海外の法人設立では、煩雑な紙書類の準備や提出、国によっては特別なライセンス許可の取得など、多大な時間とコストが掛かります。おまけに申請しても事業の許可が出ないことも多いのです。

この制度であれば難しく分かり辛い申請手順を踏む事なく、クリックと入力のみで会社の設立申請が完了します。

e-Residencyで注意すべきは、ビザや居住権、ワークパーミット(労働許可)の類とは異なるという点。登録をしたからと言って、本当の国民のように何でも許されるわけではありません。

察しの良い方はもうお気づきだと思いますが、人口130万人の国であるエストニアは、この制度を用いて外部からの投資や、技術移転を増やそうとしているのです。

IT全盛時代の今、人件費の変動によって流れていくような大きな工場を誘致するより、小さな企業を多く誘致する方が、経済や税収へ貢献する可能性が高まります。

実際半年前までエストニアの名前しか知らなかった私が、制度へ登録までしているのですから、より感度の高い人たちはアグレッシブにこの仕組みを活用している事でしょう。




e-Residencyへの登録方法

e-web
(e-Residency WEBページより)

e-Residencyへの登録は非常に簡単で、以下の手順で完了させる事が出来ます。※全て英語での対応となりますのでご注意ください。

1.WEB上で個人情報を入力する
・パスポートの顔写真ページを撮影し、画像データのままアップロードする。
・何故e-Residencyに登録したいのか、説明文を入力する。

2.登録費用(State fee)を支払う
・VISAまたはMASTERカードにて100EUROを支払う。

3.エストニア警察・国境警備隊(Police and Border Guard Board)による審査を受ける
・1ヶ月-2ヶ月ほど身元確認が行われる。

4.大使館でe-Residencyキット(e-Residency ICカード)を受け取る
・審査の結果問題が無ければ、確認完了のメールが届く。
・受取り先として指定した大使館の担当者からE-mailが届くので、返信でアポイントメントを取りエストニア大使館へ訪問する。


日本国籍者は世界でも有数の信用力を誇りますから、よっぽど特殊な人物で無い限り審査には通るものと考えられます。

最も大きな障壁は、全て英語でのやり取りになるという点。教科書英語ではなく、仕事で使う英語に近い表現も多くありますから、ある程度の努力は必要です。

大使館でe-Residencyキットを受け取る

在日エストニア共和国大使館
登録プロセスの最後に記載した、大使館でのキット受取りについて少しフォーカスします。

WEB上で全て完結するe-Residency登録の中で、最も面白いと感じた部分がエストニア大使館における受取り手続きでした。

手続き自体は全く難しいものではありませんが、一生に一度?の大使館内部でのトーキングですから、それだけ気分が盛り上がります。

私なんぞ興味本位程度で登録をしただけの人間ですが、しっかりとビジネスパーソンに接するような形で相手にしていただいたのは、非常に嬉しい事でした。

全て英語での話し合いとなりますが、英語が上手くない方でも、一生懸命伝えようとすれば相手にしていただけるのではないかと思います。


【大使館】エストニアの人は賢く面白い? 駐日エストニア共和国大使館訪問記|東京 日本


最近の話ですが、日本の安倍首相がエストニアへ訪問した際に、e-Residencyへ登録をしてキット(カード)を受け取ったそうです。

一国の首相すら登録出来るこの制度。取得するだけで世界が広がったような気持ちになれるのは、非常に不思議なものです。

用途は限られますが、知見を広げる意味で、是非一度トライしてみてはいかがでしょうか。




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外部リンク

e-Residencyポータルサイト